コラム

人間関係、上手?下手?①私はこうもり

 私は小学校に入学して初めて隣家に同学年の女子がいることを知りました。大きな蔵が三つぐらいあり、トラック(当時商店では珍しい)もありました。隣家の母親は自分が乳母を連れて嫁いできたそうです。女子とは偶然にも同じ組になり、…

蔵のある風景・・・つばさにのって ⑥

 私の住んでいる近辺は卸業を営んでいる店が集まっていたので、倉庫としての蔵を持ち、店、住まいは普通の建物だった。隣の町は小売業が多く、蔵は店舗になっていた。ここが現在観光のメインになっている。  蔵は大事な商売の品物を監…

蔵のある風景・・・つばさにのって⑤

 札の辻近くの路地を入ると、置屋と待合が両側に並ぶ芸者横丁があった。    横丁は中学の登下校の近道だった。下校時には、三味線の調子を合わせる音が洩れてくる路地に打ち水をする音や、少し着崩した浴衣姿に桶を抱えた芸者さんの…

蔵のある風景・・・つばさにのって④

 ある日、私の家から一軒置いた店が、定休日でもないのに戸が閉まったままになっていた。数日後、夜逃げをしたという話を聞いた。その家は町内の川越祭の山車の一部を保管していたが、その一部も行方不明となってしまった。山車は町内の…

蔵のある風景・・・つばさにのって③

 東上線とJR線が通る川越駅は、当初は旧市内中心から離れたところにありました。繁華街は蔵造りの商店街を中心に、地域百貨店もあり賑わっていましたが、スーパーが出現し、都心への通勤者も増加すると、百貨店も合併し、駅の近くへと…

蔵のある風景・・・つばさにのって②

 札の辻は旧市内の要であった。昔々、白の高札が立っていたという。  札の辻を東に行くと数分で市役所があり、子どもの頃は消防署と警察署もあったが、周りの町や村を合併していくなかで、その両方ともが郊外へ移転した。映画のロケに…

蔵のある風景・・・つばさにのって①

 私は札の辻からバスに乗って、川越駅から東武東上線で池袋まで通勤していた。帰りは時々川越市駅で下車をしていた。川越市駅は東武東上線とJR川越線(延長すると八高線になる)が走っている。バスは無く、川越駅前のビルの賑わいから…

風に吹かれて③

 風がささやく。 空がみつめる。  私の心は、スキップ、スキップ、スキップ。    春です! あなたは何から卒業して何を手に入れたでしょうか?  「ある日私は辞表を出した。  妻でもなく母でもなく、ただの私に戻るために。…

風に吹かれて②

 薄墨色の空の彼方には、オレンジ色の帯がほどかれ広がるようにして夜が明けていく。  新しい年が始まる。  「陽はまた昇る」・・・映画「風とともに去りぬ」ラストシーン、スカーレットオハラの言葉である。  大地主の娘であるス…

風に吹かれて①

* 人間関係がにがてだと言う人が多い。私もその一人だが、    人間は大好きである。    人がいるから私は私の個性を知ることができる。 * 母と一緒に住んでいるときはよく喧嘩をした。    母は施設に入所した。    …