人間関係、上手?下手?①私はこうもり

s_9.jpg 私は小学校に入学して初めて隣家に同学年の女子がいることを知りました。大きな蔵が三つぐらいあり、トラック(当時商店では珍しい)もありました。隣家の母親は自分が乳母を連れて嫁いできたそうです。女子とは偶然にも同じ組になり、遊ぶようになりました。彼女は、親同士の付き合いがあったようで、二軒先の同学年の女子を連れてきて、三人でよく遊んでいました。さらに、年度途中で近所に理髪業の家族が引っ越してきましたが、そこの三人姉妹の末っ子が同学年で、美人系の容姿をしていました。プライドの高そうな新人お嬢様、かたや乳母に育てられた由緒あるお嬢様でした。

 新人お嬢様は見栄っ張り。対抗意識を出すため、二人はよくトラブっていました。由緒あるお嬢様は、相手の言動を我慢する気はありません。お供二人を連れて、さっさと帰ります。

 学年が進み、それぞれ交友範囲も少し広がりましたが、やはり近所の手軽さで、私は新人お嬢に誘われればそちらへ、由緒あるお嬢に声掛けられればそちらへ、と、こだわりなくそれぞれと遊んでいました。

 三、四年生ぐらいのとき、私は同級生に「矢島さんはこうもりみたいね」と言われました。私だけが両方と交遊しているからでしょう。悪意は無いようでしたが、小さな刃物を突きつけられたような気がしました。

 対立する二人はともに遊ぶことは出来ないが、私は双方と遊ぶことが出来るからしているのであって、私には理解できない問題でした。自分が悪者のような気がして、学校の図書室に「こうもり」の童話があるのを思い出し読みました。こうもりは鳥のように空を飛ぶことが出来るが、生態は哺乳類で、両方から仲間外れにされたりいじめられたりしていましたが、両方を結びつけ、ともに仲良く暮らすようになるのです。

 この物語を読んで、私は私自身に納得しました。「問題なし、私は私でいいんだ!」と。小学校低学年から中学生にかけての人間関係の悟りでした。