遠足や旅行のようなワクワクするイベントや、試験などのプレッシャーを感じるイベントの前日などに、眠りたいのになかなか眠れないというような経験は誰にでもあるのではないでしょうか。通常であればそのような状態は何日も続きません。しかし、眠りたいのに眠れない、眠りが浅い、などの症状が長期間続いてしまうこともあります。そのような睡眠の悩みはつらく、心身ともに悪影響を及ぼしてしまうため、できるだけ早く解消する必要があるのです。
1. 4割の大人が抱える睡眠の悩み
一般的な成人の3割から4割が、睡眠について多かれ少なかれ、不眠症状に悩まされているとされています。眠りたいのに十分な睡眠が取れず、心身の健康状態が悪くなってしまう症状を不眠症と言います。不眠症は大きく分けると以下の4つです。
1-1.入眠障害
眠りにつこうとしてもなかなか眠れない症状です。
1-2.中途覚醒
眠りについても何度も途中で目覚めてしまう症状です。
1-3.早朝覚醒
眠りについても早朝に目が覚め、そこからもう眠りにつけない症状です。
1-4.熟眠障害
十分な睡眠時間をとっているのに、起きた時にしっかり眠ったという感じがしない症状です。
2.不眠症の原因
不眠症は病名ではなく、その症状の原因はひとつには絞れません。しかし、不眠症の症状を引き起こす原因には、以下のようなものがあると考えられています。
2-1.ストレス
ストレスを感じたり、緊張したりするとぐっすり眠りにくくなります。
2-2.身体の病気
身体の病気によって不眠症になってしまうことがあります。たとえば、高血圧や心臓病で胸が苦しかったり、呼吸器の疾患によって咳や発作が出て息苦しかったりすると入眠しにくくなり、途中で目が覚めてしまいます。また、アレルギーによって身体がかゆくて眠れないこともあるでしょう。さらに、脳梗塞や脳出血などでも眠れないこともあり、睡眠の悩みの影には深刻な病気が隠されていることもあるのです。
2-3.心の病気
うつ病などの心の病気になると不眠症を伴うことが大半です。眠りにくい症状に加え、食欲や性欲が減ったり、好きだったことに打ち込めなかったりなどの症状があれば、うつ病かもしれません。
2-4.カフェイン
コーヒーや紅茶など、カフェインが含まれる飲み物を飲むと目が冴えてしまったり、トイレが近くなったりします。眠る数時間前のカフェインの摂取は控えましょう。
2-5.タバコ
ニコチンが含まれるタバコにも覚醒作用があります。
2-6.アルコール
アルコールを飲むと入眠しやすくなるように思えますが、睡眠は続かず、早朝覚醒の起きる傾向があります。
2-7.生活リズムの変化
勤務時間の交替などで生活リズムが変化すると、眠りにくくなったりします。
2-8.生活環境
夜でも明るすぎたり、騒音がしたりすると眠れなくなることがあります。また、室温や湿度が高すぎたり低すぎたりしても睡眠に影響が出ます。
2-9.その他障害
寝ている時に呼吸が止まってしまう無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群でも、不眠症になることがあります。レストレスレッグス症候群とは、布団に入ると足がむずむずするような感覚になって眠れなくなる症状で、むずむず脚症候群とも呼ばれます。
3.睡眠の悩み、どうする?
不眠症状を抱え、睡眠に悩んだら以下のような対処法がおすすめです。
3-1.生活リズムを一定にする
寝る時間、起きる時間をなるべく一定にする、体内時計の調節方法を試しましょう。もし日中に眠くなったら、15時までに30分以内の昼寝をおすすめします。
3-2.日光を浴びる
体内時計を調節するのに日光を浴びるのも有効だとされています。できれば早朝の日光を浴びると夜に眠たくなる作用が期待できます。
3-3.運動をする
激しい運動は覚醒してしまう可能性があるので、少し汗をかくくらいの運動をすると気持ちよく眠れると言われています。おすすめは散歩や軽いジョギングなど、有酸素運動です。
3-4.ストレス解消をする
ストレスをためすぎると不眠に繋がります。不眠の解消には運動や読書、音楽鑑賞など、好きな趣味でストレス解消することをおすすめします。
3-5.睡眠にこだわらない
一人ひとり必要な睡眠時間には差があります。「○時までには寝なければ」「○時間眠らなければ」と思い込まず、眠れない時には「眠らない」と割り切ってください。眠れない、と悩むとストレスがたまり、さらに眠りにくくなる可能性があります。
3-6.心地良い睡眠環境を整える
枕や布団、照明などが自分に合っていないと眠りにくくなります。また、良い睡眠のためには室温が20℃くらい、湿度が40〜70%くらいがおすすめです。
4.まとめ
睡眠の悩みとその原因、そして、対処法について解説しました。睡眠の悩みは原因を知ることで適切な対処法を取り、改善することが可能です。もし睡眠の悩みを抱えているようでしたらぜひこの記事も参考にし、その原因を知って対処していきましょう。
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