40代の最初の頃、過労でぶっ倒れた私。
家の中も立って歩けないくらいで、ほとんど寝たきり。
声も出なくなり、途方にくれていたとき、
近所のママともが、見るに見かねて、
凄腕の整体の先生のところに、車で連れて行ってくれた。
正直、あまり期待していなかった。「治るわけ無いじゃん」と。
ところが3回ほど通った翌朝、なんだか身体が軽い、楽。
そこからは闇が明けるようにだんだん回復していった。
あの時あの整体にかかっていなかったら、
私は、子どもは、母は、どうなっていたのだろう。
まさに「命の恩人」ってやつだ。
その先生が、面白い、派手な、マイペースなオバサンなんだけれど、
実は、ご主人が何年も前に交通事故で寝たきりのまま
入院中だということを知ったときはびっくり。
そういう影が全く見えない人だったから。
整体の仕事だけでもお忙しかっただろうに、
その合間にしょっちゅう病院に行って、
ご主人に整体をしてあげていた。
「私さ、もともと身体が弱くってさ。
だけど、色々大変なことが有るもんだから
丈夫になっちゃったわよ。ははは」
ここにも、私が足を向けて寝られない恩人がいる。